履修と研究計画の相談
進学・履修・研究計画について、財団の関係研究者に相談する機会を設けています。所属機関の指導とは別の視点から、自身の計画を検証する場としてご利用ください。
Concept
エスパスという名は、フランス語の「空間」に由来します。ここでいう空間とは、生態学が測定してきた、個体どうしの配置のことです。
森下正明は、生物の集団がどのように空間に配置されるかを、外から与えた区画ではなく、個体そのものの並び方から読み取ろうとしました。その成果のひとつが、分布の集中度を表す指数 Iδ(森下指数)です。集団は、集中することも、散り散りになることもある。そのあいだに、その種にとって適した配置がある——森下の研究は、一貫してその「あいだ」を測る営みでした。
Morisita's Index of Dispersion
Iδ = q · Σn(n−1) / N(N−1)
集合住宅もまた、ひとつの分布です。エスパスが設計しようとしているのは、この三つの状態のいずれでもない配置——各自の研究時間が守られる十分な距離と、必要なときに他者と出会える十分な近さが両立する、その中間です。静かであることと、孤独であることは異なります。
Foundation
エスパス百万遍・エスパス一乗寺は、森下正明の旧所有地に建てられ、現在は一般財団法人 京都大学名誉教授森下正明研究記念財団が管理・運営しています。財団は、森下の研究業績の継承、研究紀要の発行、そして若手研究者の支援を目的として設立されました。
両者は、別々の事業ではありません。財団が学術の継承を担い、エスパスがその継承を可能にする生活の基盤を担う——ひとつの理念が、研究支援と住環境という二つの形をとっています。エスパスの賃料収益は、財団の学術活動を支える原資のひとつとなります。研究者がここに住まうことが、次の研究者を支えるという循環です。
morisita.or.jp 森下正明研究記念財団 公式サイトSupport
住環境が研究の質を左右することを、私たちは経験として知っています。エスパスの支援は、居室の外にも及びます。
進学・履修・研究計画について、財団の関係研究者に相談する機会を設けています。所属機関の指導とは別の視点から、自身の計画を検証する場としてご利用ください。
構成の相談、投稿先の選定、英文要旨の確認まで、執筆過程の各段階に対応します。財団の研究紀要は、若手が最初の一篇を世に問う場としても開かれています。
学術職に限らず、研究の経験をどう次に接続するか。修了後の進路について、実務と研究の双方を経験した立場から助言します。
夜半まで机に向かう生活を前提とした管理を行います。オートロック、防犯カメラ、定期清掃、そして騒音に関する明確な取り決め。集中を妨げないことが、最も基本的な支援です。
Residences
いずれも京都市左京区。大学に接する近さと、大学からわずかに退いた静けさ。研究の段階に応じて、必要な距離は変わります。
Hyakumanben
京都大学吉田キャンパスと、その周辺に集まる書店・古書店・食堂の圏内。研究室と自室の往復が、そのまま一日の動線になります。締切を抱える時期に、この近さは決定的です。
Ichijoji
叡山電鉄の沿線、東山を背にした住宅地。大学からひと駅ぶんの距離が、思考を切り替える余白になります。書店と喫茶の文化が根づき、長く腰を据えて書くための土地です。
Community
エスパスの入居者は、分野も、所属も、年齢も一様ではありません。理学の院生と、社会人の研究者と、これから進学する学生とが、同じ棟に居合わせます。分野を越えた会話は、しばしば予期しない場所で起こります。
私たちは、その偶然を制度で強制しません。共用の読書空間、財団が催す小規模な研究報告会、紀要への寄稿——参加はいずれも任意です。共同体とは、集まることを義務づける仕組みではなく、集まりたいときに集まれる配置のことだと考えています。
共用の読書空間
自室以外に、もうひとつ机を持つこと。
研究報告会
財団主催。分野外の聴き手に向けて話す訓練の場。
紀要への道
最初の一篇を、査読の手続きとともに。
Contact
居室、共用部、周辺の徒歩圏まで含めてご案内します。空室状況、入居条件、学術支援の内容についても、この機会にお尋ねください。